2019年都をどり「予告編」
都をどりとは
京都に春を呼ぶ風物詩「都をどり」は、京都最大の花街・祇園甲部の芸妓・舞妓による舞踊公演。開催期間は4月1日から約1ヵ月。名高い「ヨーイヤサー」の掛け声とともに銀襖の前の総をどりで幕を開け、爛漫の春、夏、錦秋の秋、深雪の冬、そして再びの春の花見で幕を閉じる華やかな舞台は、明治5年の創始からの伝統です。会場は祇園甲部歌舞練場を本拠地としていましたが、現在は耐震工事計画により休館となり、舞台を移して開催しています。
都をどりの歴史
「都をどり」の創始は明治5年
都をどりの創始は明治5年、東京遷都の後の京都を再興するべく日本で初めての博覧会を開催した際、附博覧として芸妓・舞妓の舞を披露したのが始まりです。祇園の芸妓・舞妓が一堂に会して舞う華やかな舞台は、遠く海外まで評判を呼び、今日に続く春の風物詩として歴史を刻んできました。
「都をどり」と京舞井上流
芸妓・舞妓の群舞という画期的なスタイルを考案したのは、万亭(現在の一力亭)九代目当主・杉浦治郎右衞門と京舞井上流の家元・三世井上八千代でした。二人は伊勢古市の「亀の子踊」などを参考にして、この形式を創案。以来、祇園甲部の舞は京舞井上流のみとされています。
都をどり年表
- 明治5年
- 京都博覧会の附博覧として、第1回都をどり開催。会場は祇園新橋小堀の松の家
- 明治6年
- 附博覧の好評を受けて、第2回都をどり開催。会場は建仁寺塔頭旧清住院を改造した歌舞練場
- 明治17年
- 祇園甲部歌舞練場開催の都をどりが、京都初の電気燈の実験場となる
- 明治21年
- 第三回関西府県聨合共進会余興として第17回(春)に引き続き第18回(秋)都をどり開催
- 明治23年
- 有栖川宮殿下とコノート殿下(イギリス ヴィクトリア女王三男)ご観覧
- 明治28年
- 平安遷都記念として第25回(春)に引き続き第26回(秋)都をどり開催
- 大正2年
- 祇園甲部歌舞練場が現在地に竣工。第44回都をどり開催
- 大正4年
- 御大典奉祝記念として、第46回(春)に引き続き第47回(秋)都をどり開催
- 昭和3年
- 御大典奉祝記念として、第60回(春)に引き続き第61回(秋)都をどり開催
- 昭和19年〜24年
- 戦争により6年間休演
- 昭和25年〜27年
- 祇園甲部歌舞練場を大改修。南座にて第77・78・79回都をどり開催
- 昭和28年
- 2階客席を増設した新・祇園甲部歌舞練場が竣工。第80回都をどり開催
- 昭和39年
- オリンピック東京大会記念として、第91回(春)に引き続き第92回(秋)都をどり開催
- 昭和47年
- 創始100年記念として、第100回都をどり開催
- 平成6年
- 平安建都千二百年記念として、第122回都をどり開催
皇太子殿下ご観覧
- 平成13年
- 第129回都をどり開催。祇園甲部歌舞練場が有形文化財登録
- 平成28年
- 祇園甲部歌舞練場、耐震改修のため休館
- 平成29・30年
- 祇園甲部歌舞練場の耐震改修を開始
- 平成31年
- 南座にて「南座新開場記念 都をどり」開催(予定)
都をどりの見どころ
舞妓さんに会える
約1ヵ月というロングラン公演で芸妓・舞妓の舞姿を目の当たりにできるのは、年に一度の「都をどり」だけ。“舞妓さん”に会える貴重なチャンスです。

優美な京舞を堪能
「都をどり」で披露される舞は、「京舞井上流」。宮中ゆかりの御殿舞に能や人形浄瑠璃などを取り入れ、祇園甲部でのみ受け継がれてきた優美な舞です。

四季の京名所の探訪
舞台では、古都・京都をはじめとする名所旧跡の数々を再現。桜や紅葉、雪景色といった四季折々の景観美を、客席にいながらご観賞いただけます。

ご鑑賞についてのQ&A
- 予約の変更・キャンセルはできますか?
- 予約の変更・キャンセル及びチケットの払い戻しはできません。
- インターネットで予約したが予約完了通知メールが届かない。
- ご予約の際、入力したメールアドレスが間違っている可能性があります。
- インターネットでの予約が成立しているか確認したい。
- 会員マイページの「チケット予約・購入履歴確認」メニューにてご予約の確認を行ってください。
一覧に予約履歴があれば、ご予約・ご購入は完了しています。
一覧になければご予約は完了していませんので、改めてご予約をお願いいたします。
- 観劇する際の服装に決まりはありますか?
- ドレスコードはございません。
- 南座に駐車場はありますか?
- 南座に専用駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。
- 写真撮影はできますか?
- 舞台の撮影録音は固くお断りいたします。
- エレベーターはありますか?
- 会場に入られて左手側にございます。
- 公演途中でも入場はできますか?
- 途中入場はまわりの方のご迷惑になります。時間に余裕をもってお越しください。
- 飲食はできるのでしょうか?
- 客席でのご飲食はご遠慮ください。
- 年齢制限はありますか?
- 入場に関して制限はございませんが、4歳以上の方は座席券が必要となります。
また、泣かれたりした場合は一旦ロビーにてお休みいだききますようお願いいたします。
- 観劇中にコートや手荷物を預けることはできますか?
- クローク・手荷物預かりはございません。
- 車椅子のまま観覧はできますか?
- 車椅子スペース(20列)がございます。事前にお電話にてお申し出ください。
- 外国語対応はできますか?
- パンフレットによる英語解説やイヤホンガイド(有料)をご利用ください。
ご挨拶
南座新開場記念
都をどり 平成31年4月開催のご案内
明治5年(1872)の創案・初演以来140余年の歴史を重ねる都をどりは、会場となる祇園甲部歌舞練場を平成28年に耐震工事計画により休館としたため、昨年と今年は春秋座に舞台を移して開催いたしました。そして平成31年の都をどりは、南座新開場記念公演の一つとして上演させていただく機会を頂戴することとなりました。
南座は発祥より400年にも及ぶ日本最古の歴史を誇り、現在の建物は昭和4年に竣工しました伝統ある劇場です。
平成28年2月より約3年間休館し、耐震補強工事を進めてられて参りましたが、いよいよ本年11月に新しく開場されることが発表されました。そしてこれを機に、「伝統的な古典芸能から、新たなライブエンタテインメントまで幅広いコンテンツをお届けする劇場」として新たな一歩を踏み出されます。
同じ世界に身を置きます私どもにとりましても誠に喜ばしく、同時に待ちに待った南座新開場記念公演の一つに「都をどり」を加えて頂きましたことに深く感謝いたしてしております。
遡りますと、都をどりは、昭和25年(1950)から3年間南座で、一方の「吉例顔見世興行」は平成2年に祇園甲部歌舞練場で開催されたことがございます。
そして再び、67年ぶりに都をどりを南座でご披露させていただくことは、この祇園の地で、ともに伝統芸能を受け継いできたご縁をいっそう深めさせていただく機会になると感じております。
平成31年4月の都をどりは、新たな設備と新たな演出で、南座新開場記念にふさわしい舞台をお届けする決意でございます。
必ずや皆さまに喜んでいただける都をどりを披露させていただきますので、多くの方々のお越しを心よりお待ち申し上げます。
平成30年6月吉日
祇園甲部歌舞会